Rumiture連載企画 "What's in youR bag?"
第一線で活躍する人のバッグの中には実際何が入っているのか?アメフト防具バッグとアスレティックトレーナーバッグを製作している我々Rumitureが調査して参ります。
今回はトレーナーバッグの中身の紹介です。ラグビー部門から、東海大学付属相模高等学校ラグビー部所属の井澤秀野さんにご協力頂きました。
新しくアスレティックトレーナーになった方や実習先が決まった方、帯同チームが変わって競技帯同にバッグを携行することになった皆様ぜひご参考ください!
※井澤さんには連載企画GrindeRsにてインタビューにお答え頂いておりますのでぜひこちらの記事も併せてご覧ください。https://rumiture.com/blogs/news/grinders-6-hideya-izawa
- バッグの中身
・全体の写真
写真に写っている物が全てトレーナーバッグに入っています
・各種テープ
ラグビーは怪我人が出てもプレーは止まりません
そしていつでもピッチの中に入ることができます
怪我が発生した場合はすぐに駆け寄ってその場で処置を行いますので、全ての怪我に対応が出来るように多くの種類のテープを入れています
止血の際にもハンディカットのテープを使用するのですが、その際には血が滲んでもわかりにくい黒いテープを使用します
・ガーゼ類
テープと同様に怪我人が出てもプレーは止まりませんので、どの部位にも対応できるように各種サイズを用意しています
使用するのは全て滅菌されているガーゼです
もう1つ、デルマエイドという高吸収力で滲出液の多い創にも対応出来るドレッシング材も使用します
こちらは両面に非固着性フィルムが使用されており、剥離の際に新生組織を傷つけないのが特徴です
・ステリストリップ
傷を塞ぐ際に使用する細長いテープです
別名「スキンクロージャー」とも言われます
ラグビーでは多くの挫創が出ます
その際に止血をしてからこのテープで傷を閉じています
・消毒剤、バンドエイド
小さな傷の場合はバンドエイド、各部位の消毒をしたい時にこちらの消毒剤を使用しています
・コットン各種
ラグビーでは鼻血もかなり発生します
その際にまずは止血をしてからこのようなガーゼを鼻に入れてプレーに復帰します
・グローブ
出血が多いのが特徴のラグビーですが、その際に必ずグローブを装着して処置を行います
ちなみにラグビーでは試合中に常に両手にこのグローブをした状態で待機をしています
プレーが中断されないので、グローブを着ける時間もないのが現状です
・各種はさみ
はさみに関しては「とにかく切りやすい物」を使用しています
時間がない中で切れないはさみでは困りますので、そこは切れるはさみを2本用意しています
・付箋、ペン
試合中でも練習中でも気が付いたことはこれにメモしています
・ワセリン
股ズレなどに使用しています
出血をした後の傷には絶対に使用しません
・ホットクリーム
アップの際に補助として使用したり、筋肉に張りがある場合に選手からこれを要求されることもあるので準備をしています
・グリップテック
汗や雨で手が滑る際にこれを塗ると滑らなくなります
クリーム状になっていて、試合の途中に選手からこれを要求されます
・タオル
汗を拭く、止血などで使用しています
・ペンライト、体温計、爪切り、コンタクト洗浄液、コンタクト保管ケース、鏡
この中では特にペンライトが重要となります
頭部外傷があった際に瞳孔のチェックで使用します
・ポケットマスク
選手が倒れて人工呼吸が必要な場合にこれを使用します
現在は口対口の人工呼吸ではなく、このような機材を使用します
これの利点としてチームで用意しているバッグバルブマスクに装着する事が出来ると言う事です
・バッグバルブマスクはこちらです
・パルスオキシメーター
呼吸が出来ているか、血液の酸素供給が正常に行われているかどうかを、リアルタイムで測定できる医療機器です
重篤な外傷、熱中症など、多くの怪我や病気の際に使用しています
- 競技ならではのもの紹介
ラグビーでは出血の対応が他の競技よりも多いので
・グローブ
・滅菌ガーゼ
・デルマエイド
・ステリストリップ
この辺りは他の競技よりも多く使用する物かと思います
もう1つの特徴としてグリップテックは他の競技では用意していない物かと思います
- 自分ならではのもの紹介、バッグのカスタム(あれば)
選手の命を守ることがフィールドに立つトレーナーとして最も重要な事です
その意味では
・ポケットマスク
・バルブバッグマスク
・ペンライト
・パルスオキシメーター
この辺りは他のトレーナーと比べて必須と考えているかもしれません
- このアイテムがお気に入りor助けられた
全ての物がお気に入りであり、必須であり、入っていないと不安な物となります
またここには入りきらない救急処置の際に使用する備品はすぐに取りに行けるような場所に練習、試合時は置いています
自分自身が常に身に着けるトレーナーバッグと、フィールドに用意されている救急処置のバッグの両方が揃って初めて業務を遂行できるような物たちになります。