Rumiture製品使用者インタビュー企画 GrindeRs #8 Kosuke Kikuchi

「カレッジスポーツの熱狂を日本の大学スポーツ界にも」  アメフト部の垣根を超えて大学スポーツ全体の価値向上を図る、筑波大学アメフト部 菊地康介さん



Rumiture製品使用者インタビュー企画”GrindeRs”

自分の目標を達成するために日々努力(Grind)し続けている人々=GrindeRs。

彼ら/彼女らが自分の胸の中に秘めた感情や物語はあれど、第三者が知る機会はなかなか無い。

この記事を通してGrindeRsのストーリーを知って頂き、共感や感銘が読者のGrindする力になれば幸いです。


Rumiture製品使用者インタビュー企画第8弾は、筑波大学アメフト部 マネージャーの菊地康介さんです。勝敗だけではなく競技活動の先にある価値を追い求めている菊地さんはハワイ大学でのスポーツマネジメント研修をきっかけにアメリカのカレッジスポーツのような熱狂を日本の大学スポーツ界にも起こしていくことで、部活動の価値向上やそれに関わる全員のウェルビーイングを向上させたいと考えるようになったそうです。そんな菊地さんの熱い想いを伺いました。



ー所属とお名前を教えてください


筑波大学体育会アメリカンフットボール部 EXCALIBURS 3年生の菊地康介です。昨年の怪我をきっかけに選手からマネージャーに転向し、チーム運営、広報、スポンサーなどの業務を担当しています。

 

ーチームとしてどんな目標を持って活動していますか


現在、関東学生2部リーグに所属しており、1部BIG8への昇格を目標にしています。昨年は2部で優勝したものの、入れ替え戦に敗れて昇格できなかったため、その悔しさをバネに昇格を目指して取り組んでいます。  

チームフィロソフィーの観点では「DRIVE」というスローガンを掲げ、一人一人が前進し続け、チームを突き動かす原動力になることを重視しています。競技的な観点ではフィジカル、メンタル、ファンダメンタルに焦点を当て、日々のトレーニングに取り組んでいます。


ーチームスローガンを新人含むチーム全体に広く深く浸透させるために行っていることはありますか


スローガンを選手からスタッフまで練習中に声に出すようにしています。フットボールのプレー中からランメニューまで、常に「DRIVE」という言葉を口にすることで、チーム全体にしっかり浸透していっていると感じています。スローガンだけでなく、競技面の成長の鍵となるフィジカル、メンタル、ファンダメンタルに関しては、特に下級生への指導に工夫を凝らしています。具体的には、下級生の育成を担当する部員が、それぞれの個人に合った成長の手段や目指すべき方向を言語化して伝えることで、チーム全員が同じ方向に向かって進めるように取り組んでいます。


ー菊地さん個人はチーム内でどのような役割を担っていますか


競技者目線では勝敗に目が行きがちですが、それももちろん重要な要素です。しかし、私は「なぜ競技をしているのか」「チームの存在意義は何なのか」「どうやって選手に良い環境で練習してもらうか」といったウェルビーイングやガバナンスの向上にも力を入れて活動しています。


筑波大学には体育スポーツを一元化した組織として「体育スポーツ局」が設置されており、私はそこの事業に携わっていました。具体的には自分の部活動だけでなく筑波大学スポーツ全体に関わり、ホームゲームの企画・運営などを行う、筑波大学ホームゲーム「TSUKUBA LIVE!」に1年間従事していました。筑波大学のスポーツは、日本の大学スポーツのパイオニアとしての位置付けがあり、大学スポーツの価値の最大化や、大学スポーツのガバナンス向上を目指しています。


現在、世間的に大学アメフト界への印象が必ずしも良くはないと感じており、今後はその健全性を正していく必要があると考えています。筑波大学アメフト部がこの課題に対してリーダーシップを発揮し、モデルケースとなれるようなチームとなることを目指しています。これまでの筑波大学ホームゲーム「TSUKUBA LIVE!」での経験を活かし、今後も地域貢献や、大学スポーツの価値の向上を目指した活動に取り組んでいきたいと考えています。その一環として、昨年から実施している「TSUKUBA BOWL」を継続開催し、地域社会と共に大学スポーツの発展に寄与していきたいです。


ー広報担当になろうと思ったきっかけは何でしょうか


私は情報学部に所属しており、プログラミングやSNS、情報の流通を学んでいます。部活の中で様々な役職がある中、自分の好きなこと、そして活躍できることが広報なのではないかと感じたのがきっかけです。広報の仕事は、ファンや筑波大生、保護者、筑波大学志望の高校生といった応援してくれる人を増やすことはもちろん、部員の帰属意識の向上やモチベーションアップにも貢献することだと思っています。また、私たちはOBの皆様から多大な支援を頂いて活動しているので、OBの皆様に自分たちの頑張りを見ていただき、支援を続けていただく役割も広報活動にはあると考えています。


ー結果よりも存在意義などに重きを置くようになったのには何かきっかけがありましたか


監督からは常に「何のためにアメフトをやっているのか」と問いかけられており、昇格を目標にして勝つことだけを考えて活動していた時に、その後に何があるのだろうと考えるようになりました。まだチームとしても個人としても答えは出ていませんが、アメフト推薦がなく、体育学部の学生もほとんどいない初心者の集まりである私たちが競技を始める際には、目的意識を持たないと「何のために自分はやっているのだろう」と悩んでしまうため、勝つためだけでなく、その向こうに何があるのかを考えることが必要だと感じました。


チームとしてはアメフトが好きという動機でプレーしている選手が多いですが、個人個人がその動機を深く考えることで、さらにモチベーションが高まり、チーム全体の価値も高まると考えています。先日、天皇杯でJ1所属の町田ゼルビアを撃破した筑波大学蹴球部は「大学サッカーを牽引する」というビジョンを持ち、それを実現しているように、私たちの部にもビジョンが必要だと感じていますが、2部リーグ所属の私たちが掲げるべきビジョンは何か、まだ模索しているところです。今後これを個人としてもチームとしてもクリアにしていきたいと考えています。


ー答えは完全には出ていない中でも菊地さんなりの具体的な道筋は見えてきましたか


「筑波大学」の強みを活かすことが重要だと考えています。具体的には二つあります。まず一つ目は、トレーナー制度の充実度です。弊部には、オリンピック選手に帯同した経験があるアスレティックトレーナーの教員が在籍しており、非常に高いレベルのノウハウを持ったトレーナーチームが整っています。この専門性をチームの存在意義として打ち出すことが考えられます。


二つ目は、筑波大学がスポーツに力を入れている大学であることを活かし、他の大学に対して、大学スポーツの健全性やガバナンスの面でリーダーシップを発揮する社会的意義を担うことが現実的だと考えています。


ー「TSUKUBA BOWL」はどのような想いで開催しましたか


2023年が初開催でしたが、その背景には私が1年生だった2022年8月から広報リーダーを任され、SNS運営などを行っていた経験があります。当初から、広報の価値をさらに高め、何か面白いことができないかと考えるようになりました。その後、2023年3月にハワイ大学にスポーツマーケティングを学びに行く機会があり、そこでアメリカの大学ホームゲームの盛り上がりやカレッジスポーツのガバナンスについて学びました。その際、日本の大学スポーツとの大きな差を実感し、この差をどうやって縮められるかを考えるようになりました。


ちょうどその頃、コロナが収束し、観客を試合に呼べるようになったタイミングで、当時の弊部の主将がアメリカのカレッジスポーツが好きで、アメリカのホームゲームのような盛り上がる試合がしたいという相談がありました。彼からハワイ大学での研修で得たノウハウをホームゲームに活かしてほしいと声をかけてもらい、私が主導で「TSUKUBA BOWL」の企画・運営をさせていただくことになりました。「コロナ前の熱狂を取り戻す」という想いで企画したものです。

 


ー日本の大学スポーツとの差は具体的にどんな部分で感じましたか


まず、ファシリティの違いに驚きました。アメリカの大学では動いているお金の規模が全く異なることを実感しました。また、ガバナンスや規則に関しても、NCAA(全米大学体育協会)ではアメリカ全体で統一された基準が設けられているのに対し、日本では競技ごとや連盟ごとに規則が異なり、統一性に欠けていると感じました。


さらに、文化の醸成という点でも、日本にはホーム&アウェイの制度がそもそも存在しません。そういった部分をどうやって実現できるかを考えたとき、アメリカのやり方をそのまま模倣しても日本には根付かないだろうと感じました。そこで、日本、そして筑波大学に合ったものを作り上げる必要があると考え、そのアウトプットの第一歩として「TSUKUBA BOWL」を開催しました。


ー2023年の「TSUKUBA BOWL」はいかがでしたか


「横の繋がり」を大切にして開催しました。これまでコロナ禍で人との繋がりを感じにくい状況が続いていましたが、他の部活動の学生に観戦に来てもらったり、音響サークルに協力してもらったり、ハーフタイムショーで出演者に協力してもらうなど、応援部とも合同でプロモーションを行い、横の繋がりを実現できたと感じています。


普段使用している試合会場ではなく、ホーム開催であったにもかかわらず、2部の大学アメフトとしては非常に多くのお客様が集まりました。OBの方々からも見たことのない量の差し入れがあり、さらに友人や地域の方々も足を運んでくださり、とても嬉しかったです。


今年からは関東学生アメリカンフットボール連盟のルールが変わり、自校グラウンドでの公式戦に「マッチパートナー」をつけることができるようになりました。11月には筑波大学のグラウンドで試合が予定されており、「マッチパートナー」をつけることで、さらに多方面の方々を巻き込み、盛り上がるホームゲームにしたいと考えています。

 

ーこういったホームゲームでの活動の先にどのような未来を描いていますか


将来的には、大学スポーツの価値をさらに高めていきたいと考えています。アメリカで見たカレッジスポーツは、スポーツを中心に人々が集まり、魅了され、お金が動くという大きなコミュニティが形成されており、そのサイクルの中で関わる全員のウェルビーイングが向上しているのを目の当たりにしました。これを日本の大学スポーツ界でも実現できればと考えています。


筑波大学アメフト部の視点から言えば、こういった活動を通じて共感してくれる優れたコーチや選手が集まり、さらに強いチームとなり、上のステージを目指していけることが理想です。


ーRumiture製品のレインポンチョをお使い頂いていますがどのような点が気に入ってくださっていますか


コンビニでも売っている「レインコート」に、ブランディングが施されている点と、実際に使い心地が良く、携帯しやすい点が気に入っています。こういった細かい備品をチームで揃えることも、チーム全体のブランディングの向上に繋がると思います。機能面でも、腹部のポケットからカメラを取り出しやすかったり、通気性が良かったりして夏場も暑くなく、日本のアメフトの現場での需要をしっかり捉えた製品だと感じています。


ーFootball Equipment Bagは2年連続で新入生の皆様にご購入頂いていますが、チーム内からはどのようなお声がありますでしょうか


防具バッグなのにとてもコンパクトで、型崩れしないため、バッグが多く並んでいても綺麗に見え、ブランディングがしっかりしていると好評です。


ー今後Rumitureで開発して欲しい製品はありますでしょうか


防具バッグだけでなく、小さな製品にもチームのロゴが印刷できるようになると嬉しいです。また、試合用のショルダー着用時に羽織る防寒ジャケットがあると良いと思います。チーム統一のリュックやマネージャー専用バッグ、スタッフがグラウンド内で物を運ぶためのカートや、個人的にはアパレルも増やしてほしいと考えています。


ー最後に2024年シーズン開幕に向けての意気込みをお願いします

元選手としての視点を活かし、選手一人ひとりと向き合いながらサイドラインからしか見えない部分や、選手自身が気づかない細かい部分にも目を配り、それをチームにフィードバックすることで、チームの勝利と目標達成に貢献していきたいと思っています。


筑波大学アメフト部としては、これまで築き上げてきたものをさらに発展させ、部の内外にわたる体制を一層強化していくことで、より高いステージを目指します。2024年シーズンそしてその先においても、私たちの価値を最大化し、筑波大学アメフト部だけでなく日本の大学アメフト界全体に貢献できるようなチームを目指してまいります。

 


著:Rumiture佐藤敏基

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