Rumiture製品使用者インタビュー企画 GrindeRs #4 Daiki Morita

 「コミュニケーションの量と質が大切」長年の下積みを経て富士フィルム海老名Minerva AFC統括トレーナーとなり、チームの昇格に貢献した森田大樹さん

Rumiture製品使用者インタビュー企画”GrindeRs”

自分の目標を達成するために日々努力(Grind)し続けている人々=GrindeRs(グラインダーズ)。

彼ら/彼女らが自分の胸の中に秘めた感情や物語はあれど、第三者が知る機会はなかなか無い。

この記事を通してGrindeRsのストーリーを知って頂き、共感や感銘が読者のGrindする力になれば幸いです。



Rumiture製品使用者インタビュー企画GrindeRs第4弾は富士フィルム海老名Minerva AFCトレーナーの森田大樹さんです。

トレーナーとして苦労した時代を乗り越え、現在は統括トレーナーとして活躍しチームの昇格を支えた森田さん。

選手への熱い想いや今後最上位リーグで戦っていくための覚悟を伺いました。



ー所属とお名前を教えてください

森田大樹です。

柔道整復師として、あみ鍼灸整骨院グループという鍼灸整骨院に平日は勤めていて、土日はX-leagueの富士フィルム海老名Minerva AFCにトレーナー(統括)として所属しています。

不定期ではありますが日本レスリング協会の医科学委員会にも所属していて要請があれば活動しています。

トレーナー歴は12〜13年になります。


ートレーナーになったきっかけを教えてください

高校時代にバスケをプレーしていたのですが怪我をする機会が多く、それがきっかけでトレーナーになりたいと漠然と思っていました。

地元が伊豆大島という離島なので基本的に整形外科しかなく、満足な治療が受けられない事もあり、神奈川の鍼灸整骨院に通っていた事もあったのですがそこの先生が柔道整復師で、こんな仕事もあるんだと思ったのがきっかけです。



ーアメフトとの出会いを教えてください

結構急な出会いでした。

僕の職場の先輩が元ミネルヴァの選手で、その先輩伝にミネルヴァがトレーナーを探しているという事を聞き、それを機にミネルヴァに所属することになりました。

それまではアメフトはアメリカで試合観戦を一度だけした事があるくらいの馴染みの薄さでした。



ートレーナー界から見たアメフトという競技はどんなイメージですか

ハードルの高いスポーツだと思われていると思います。

起こる怪我が多いですし、1チームあたりの人数も他競技に比べて圧倒的に多いので見切るのが大変かなと思います。

防具をしているからこその頭頸部外傷も多いスポーツですし、一線を引いてしまうトレーナーもいるかもしれません。

サッカーやバスケのトレーナーは逆に人気が高いと思います。

僕はそうでもないのですが、自分がやっていた競技をみたいというトレーナーが多いので競技人口の多いスポーツは自ずと希望者が増える印象です。



ートレーナーとして大切にしていることは何ですか

選手と監督コーチの間にいる立場なのでどちらの意見にもしっかり耳を傾けつつもどちらか一方に偏りすぎないように気をつけています。

コーチ陣から選手の早期復帰の相談が来た際などにも、選手の状態を鑑みて冷静な判断をしつつもコーチ陣の要望をなるべく叶えるために思考を巡らせるようにしています。

チームの方針は崩すことなくトレーナーとしての意見はしっかり述べるという折り合いをつけるよう心がけています。



ーRumitureのトレーナーバッグとの出会い

元々レスリングやバスケの屋内競技だったので、防水機能がないトレーナーバッグを使っていたのですが、アメフトという屋外競技になり雨の日にかなり困っていました。

なので釣り用バッグを転用していたのですがそれも防水機能がイマイチで、そんな中トレーナー仲間がFacebookでRumitureのトレーナーバッグを載せているのを目にして、かなり良いと思いました。

あの形のトレーナーバッグは市場になかなか無くて、元々あったものは現在廃盤になっているのでこれは買いだと思いました。



ートレーナーとしての苦労を教えてください

今はチームと会社の契約のもとトレーナー活動をしているので、ミネルヴァでの活動は会社基準の給与が支払われるのですが、この形になるまで約10年かかりました。

それまでは基本週5〜6日治療院で勤務しながら、休みを使ってトレーナー活動をしていたので実際は週7勤務、みたいな感じでした。

給与もそこまで反映されず家族と過ごす時間も無い中で、正直しんどくて何でやっているんだろう、辞めようかなと思った時期も正直ありました。

トレーナー界はそういうものだと当時分かって飛び込んだのですが、いざ経験すると結構ハードでした。

現在は学生インターンへの対応の良化や、メディカルに対して用意していただける予算の増額など環境が整備されてきた傾向にあると思います。



ーそんな厳しい環境の中でもトレーナーを続けたのにはどんな思いがありましたか

怪我をした選手からしたら、復帰するためにはチームにいるトレーナーや紹介してもらったトレーナーを頼るしかありません。

いち早くフィールドに戻ろうと必死になっている選手を目の前で見ていたら、やっぱり見捨てられないと思いました。「選手のため」これに尽きます。



ーミネルヴァは2023年シーズンの結果を受けて昇格となりましたがトレーナーとしてどのように貢献されたと思いますか

これをしたから昇格に直接繋がった、みたいなのは難しいのですが、元々チームにいるメンバーのモチベーションもバラバラで普段から自分でコンディション調整をしっかり行なっている選手もいればそういうところに対しての意識が足りていない選手もいたので、とにかく選手とのコミュニケーションの量を増やして選手たちのコンディショニングへの意識を引き上げるようにしていました。

こちらで対処できることは全てして、できない領域に入ってきたらコーチ陣に相談して擦り合わせるという事をやっていました。

選手のために知り合いの治療院を紹介したりもしました。トレーナーは都内在住や勤務が多い中、チームは神奈川拠点なので選手も神奈川在住が多く、神奈川の信頼できる治療院を紹介したり、選手に僕の治療院まで足を運んでもらったりしていました。



ー最上位のリーグに参入することでトレーナーとして変わることはありますか

より強く選手に求めていこうと思っています。

プロではない社会人競技の難しいところで、トレーナー側からどれだけ選手のコンディショニングへの姿勢に厳しく言えるかというのはあるのですが、そこは妥協せず厳しく言おうと思っています。

トレーナー陣は入れ替え戦に勝った瞬間から、不安を感じていると思います。

試合強度が高まって怪我は増えると思うので、怪我の予防と治療を今まで以上にしっかりやっていくのと、他にもアンチドーピングの徹底や、チームで行うメディカルチェックも、ドクターと連携しながら今まで以上に整備しています。



ートレーナーはチームからどのような基準で評価されるものなのでしょうか

怪我をどれだけ予防できたか、怪我からどれだけ早く復帰させる事ができたかというのはもちろん、コミュニケーション能力も大切になってくると思います。

復帰を早くするには選手への介入頻度と内容、怪我して落ち込んだモチベーションをどれだけ高められるかというのが大切になってくるのですが、プロや学生に比べて活動日が少ないのでチーム活動のない平日にも密にコンタクトを取るようにしています。



ートレーナーとしての目標を教えてください

トレーナー業だけで生計を立てられるようになりたいです。

以前はオリンピックに出場したいと思っていたのですが、レスリング協会を通じて東京オリンピックに関わることができたので、現在はトレーナー一本で生計を立てることに尽力しています。



ー今後Rumitureで開発して欲しいものはありますか

薄手の防水ジャンパーや防水の靴とかがあると嬉しいです。

雨やグラウンドに水が溜まってしまった際にトレーナー活動中に長靴とか厚手の靴を履いてしまうとトレーナーとして動きにくかったり屈みにくくなったりしてしまうので。


著:Rumiture佐藤敏基

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